叢生はこうしてなる・こうして防ぐ
八重歯や乱ぐい歯とも言われます。
歯が一列に並びきらず、デコボコになっている噛み合わせです。
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なりやすいタイプ・・・歯に対してあごの骨が小さいために起こります。
- 乳房(母乳)哺育経験がない、または不足している
- 食欲がなく、胃袋が小さい
すぐお腹がいっぱいになるわりに、すぐにお腹が減って三食をきちんと食べられません。そのために、お菓子のつまみ食いなどをすることで、結果的に食事をきちんと噛むことが不足してしまいます。
- 食事のとき足がブラブラして床についていない
- 離乳食を上手に噛むことが苦手
肉や野菜のエキスだけチューチュー吸って、繊維質をペッと吐き出す子は叢生になる可能性が高いといえます。
- 宵っ張りの朝寝坊、運動不足で食欲がわかない
- 奥歯ですりつぶすような噛み方をしていない
あごに噛む力を伝えるには、ちょこちょこ噛むのではなく、奥歯ですりつぶすようにしっかり噛むことが大事です。
予防・対策・・・たくさん遊んでしっかり噛む生活を送りましょう
- 乳房(母乳)哺育を心がける
- 哺乳ビンは、噛むタイプの乳首を利用する
- 外遊びや身体を動かし、よく歩かせる
食欲増進につながります。
- 噛まないとのみこめないメニューにする(和食中心に)
- 踏み台つきのイスを用意する
- ひとくち30回を心がける
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過蓋咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている噛みあわせです。
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なりやすいタイプ・・・集中力のある子に多い?!猫背に注意。
- 唇や口腔周囲筋を緊張(=収縮)させるくせがある
- 姿勢が悪い
- 集中力があって手先の作業が好き
- 無口
- 猫背で食事する、お茶碗を手に持って食べない「犬食い」をする(躾不足)
- 両手でほおづえをつくくせがある
予防・対策・・・声を出し、元気に外で遊びましょう
- 唇やあごが緊張して「ウメボシ」が見えたら野菜スティックを与える、またはササッと歯を磨く
口を開けることになり、必然的に口腔周囲筋がゆるみます。
- 下あごの部分を親指と人差し指でそっと持ち、ふわふわしているときに褒める
口の周りがリラックスした状態で唇を閉じる練習をします。
- 手先の作業が得意な子は、時間を決めて声をかけ、外遊びに連れ出す
- 食事中のBGMは、小言よりもほめほめ作戦で
食事中に叱られながら食べると、、猫背になって過蓋咬合を招いてしまいます。反対に、褒められながら食べれば自然と姿勢はよくなり、楽しい雰囲気で食事をするとお話もはずみ、過蓋咬合の予防になります。
- なるべくお話をさせる
絵本の読み聞かせの際、、質問をして子供が言葉を発するように仕向けたり、大きな声で歌を歌うなどもよいでしょう。下あごが動くので、過蓋咬合の予防になります。
- 大きな声を出しながら全身運動になるような遊びをする
例:だるまさんがころんだ、鬼ごっこ、潮干狩り、海遊びなど、家族でアウトドアで休日を過ごすと大きな声を出し、身体を動かしてお腹が空くので、過蓋咬合対策になります。
- 正しい姿勢で食事をする
交叉咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
クロスバイトとも言われます。
上下の奥歯が横にずれている噛み合わせです。
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なりやすいタイプ
あごの形をゆがめるくせが奥歯の位置をずらしてしまいます。
- 4歳をすぎても指しゃぶりが続く
2歳ごろまでの指しゃぶりは生理的なものですが、長期的にわたって指しゃぶりを続けると、上あごと上の前歯が前に飛び出て左右の幅が狭くなり、順調に発達している下あごの歯と噛み合わなくなってしまいます。
そのため常に奥歯を横にずらしてかみ合わせる習慣がつき、あごそのものが左右にずれてしまいます。
- どちらか片方を向いて食事をする
- 片側だけで爪かみをする
- 左右どちらかの顔を下にして寝るくせがある
- ほおずえをつくくせがある
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本来なら下の奥歯より外になるはずの上の奥歯が内側になっているのが交叉咬合ですが、奥歯が完全にすれ違うと「はさみ状咬合(シザーズバイト」となってしまいます。これではうまく噛めません。 |
予防・対策・・・くせを忘れさせてしまいましょう
- 手先を使ったあそびなどで、指しゃぶりや爪をかむくせを忘れさせる
4~5歳以上なら、そろそろ指しゃぶりから卒業したいところ。ぼんやりした時間、暇な時間を作らせず、悪いくせにさよならしましょう。
- ドーナツ枕を用意して大の字に寝かせる
健康のためにも、大の字で仰向けに寝る習慣をつけましょう。
- 食事の時間はテレビを消す
食事の時間にテレビが見たくて、 体を片方に向けたまま食事をしていると交叉咬合になりがちです。
食事が済んだらゆっくり見せてあげてください。
反対咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
いわゆる「受け口」。
噛み合わせたとき、下の前歯が上の前歯より前に出ている噛み合わせです。
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なりやすいタイプ・・・遺伝のほか、乳歯のむし歯も原因に
- 親族に反対咬合(受け口)の人がいる
- 親族に外科矯正をした人がいる
- 乳歯を咬ませたとき、下の前歯が上の前歯より前に出ている
前に出ている下の前歯の数が4本以内なら自然に治る可能性がありますが、6本以上で骨格的に問題がある場合は、幼児期に骨格改善を目的とした矯正治療をしたほうがよいでしょう。
- 指しゃぶりや爪かみをする
指しゃぶりや爪かみによって歯の向きが傾くと反対咬合の原因になります。
- 乳歯の奥歯が大きなむし歯になってしまった
乳歯の奥歯を重度のむし歯にすると、下あごを支えられず、下あごの前方で噛むことになってしまいます。
予防・対策・・・早め早めの相談を!
- 背が伸びる前に矯正治療を始める
背が伸びて下あごの骨が伸びる前に矯正治療を行い、上あごの成長を促しましょう。ただし、幼児期に矯正治療を行っていったん治った場合でも、成長期にあごの骨もぐんと伸び、二期目の矯正治療が必要になることもあります。
- 下あごを突き出すような遊びはしない
下あごを突き出して遊んだりすると、反対咬合になってしまうことがあります。ほどほどにするよう言い聞かせましょう。
上顎前突はこうしてなる・こうして防ぐ
出っ歯とも言われ、日本人に多くみられます。
上の前歯や上あごが前へでている噛み合わせです。
下あごが後ろに下がっている場合もあります。
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開咬はこうしてなる・こうして防ぐ
オープンバイトともいわれます。
奥歯はしっかり噛んでいるのに、前歯に隙間が開いている噛み合わせです。
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なりやすいタイプ・・・上顎前突も開咬も生活習慣が関係します
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- 唇の筋肉が無力で上唇がめくれあがっていて唇が閉じられない。
いつも口が開いている。
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- 姿勢が悪い
だらしなく口が開いて前かがみになっていると、下あごの発達が阻害されてしまいます。
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- 拇指吸飲癖がある
指しゃぶり、舌や唇を吸ったり噛んだりするくせがあると、多くの場合、上顎前突・開咬がみられます。
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- 舌前突癖がある
ものを飲み込んだり、サ行やタ行を発音するときに舌を上下の歯に挟むくせがあると、上あごが前に押し出されてしまいます。
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- 口呼吸をしている
アデノイドなど、鼻疾患が疑われる場合もあります。
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予防・対策・・・どちらの場合も早めにくせを直しましょう
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- 指しゃぶりやおしゃぶりを止めさせる
4歳をすぎても止められないときは、スキンシップを増やしながら他の手遊びや全身遊びに切り替えてあげましょう。
- 舌や唇、嚥下のトレーニングをする
(MFT:マイオファンクショナルセラピー)
MFTとは、口腔筋機能療法とも呼ばれ、唇や舌などの正しい使い方を学ぶ方法です。唇を閉じること、舌を上あごにつけて飲み込むことなどを順を追って練習します。
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- よい姿勢を保てるように、外遊びで全身の筋肉を鍛える
体を動かす遊びを通じて腹筋と背筋を鍛え、 姿勢をよくしましょう。
- 鼻呼吸ができる子にする、食事の前に鼻をかむ
耳鼻科で検査してみるのもよいでしょう。
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